Pは座標平面上の動点とし、1秒ごとに上下左右の4方向に同じ確率1/4で移動する。Pが原点を出発してからn秒後の位置と原点との距離の平方の期待値を求めよ。
一応正解と同じ答えが出せたのですが、やり方がおかしいということで×にされました。どこがおかしいのか教えてください。よろしくおねがいします。
n秒後の点Pの位置を(a_n,b_n)とおき、また求める期待値をE_nとおきます。 n秒後の位置と原点との距離の平方の期待値がE_nということは、大体E_n=a_n^2+b_n^2が成り立つ。 n+1秒後の位置は(a_n+1,b_n)、(a_n-1,b_n)、(a_n,b_n+1)、(a_n,b_n-1)のどれかで、これらはすべて等確率ですので、 大体E_(n+1)=1/4{(a_n+1)^2+b_n^2}+1/4{(a_n-1)^2+b_n^2}+1/4{a_n^2+(b_n+1)^2}+1/4{a_n^2+(b_n-1)^2}が成り立つ。 これを計算して、E_n=a_n^2+b_n^2を代入すると、E_(n+1)=E_n+1で、E_0=0から、E_n=n
×になっていたのはE_n=のところとE_(n+1)=のところです。
期待値って、平均みたいなもので、n回目の試行での期待値がE_nということはn回の試行でE_nという値をとるとみなしてよいということだと思っているのですが、これは誤解でしょうか?
|
No.28283 - 2014/08/16(Sat) 09:35:21
| ☆ Re: 期待値の意味 / ヨッシー | | | >期待値って、平均みたいなもので これは正しいです。 >n回目の試行での期待値がE_nということはn回の試行でE_nという値をとる 「n回目の試行での期待値がE_nということはn回の試行の平均値がE_nである」 とすれば、厳密さはともかく、意味的には正しいです。
上記の解答は、以下のようにすれば、正しい答案になるでしょう。
n秒後のある点Pの位置を(a_n,b_n)とおき、原点から点Pまでの 距離の平方をD_nとおきます。このとき D_n=a_n^2+b_n^2 が成り立ち、点Pになりうるすべての点についてD_nの平均を取ると E_n となります。 n+1秒後に点Pは(a_n+1,b_n)、(a_n-1,b_n)、(a_n,b_n+1)、(a_n,b_n-1)のいずれかに等確率で移り、その平均値は D(n+1)=・・・=D_n+1 となります。点Pになりうるすべての点について、この式は成り立つので、 E(n+1)=E_n+1 となり、E_0=0 より、E_n=n。
ただし、平均のとらえ方をかなりイメージ的に捉えている (厳密に計算すれば当然正しいのですが、理解をしてもらいにくいでしょう)ので、危険な解答ではあるかも知れません。
上でいう「平均」とは、起こる確率で重み付けをした平均です。
|
No.28284 - 2014/08/16(Sat) 10:11:04 |
| ☆ Re: 期待値の意味 / angel | | | > ただし、平均のとらえ方をかなりイメージ的に捉えている > (厳密に計算すれば当然正しいのですが、理解をしてもらいにくいでしょう)ので、危険な解答ではあるかも知れません。
私も危険だと思います。 感覚的な部分は、計算の方針としては良いと思いますが、解答を書く上での根拠にはならないでしょう。
今回、E[n+1]=E[n]+1 という形になると感じていて、これでE[n]=nが帰納法で示せる道が見えているわけですから、ここを重点的に調べれば良いと思います。次のような感じで。
-- n秒後にPが存在しうる点がm箇所あるものとし、 それらの点を座標(a[k],b[k])、Pの存在確率をp[k] ( k=1〜m ) とする。 このp[k]に関して、Σ[k=1,m] p[k] = 1 である。 この時、 E[n]=Σ[k=1,m] (a[k]^2+b[k]^2)p[k] 次にn+1秒後については、 n秒後に(a[k],b[k])で、n+1秒後に(a[k]+1,b[k]) n秒後に(a[k],b[k])で、n+1秒後に(a[k]-1,b[k]) n秒後に(a[k],b[k])で、n+1秒後に(a[k],b[k]+1) n秒後に(a[k],b[k])で、n+1秒後に(a[k],b[k]-1) がそれぞれp[k]/4の等確率となる。 そのため、 E[n+1] =Σ[k=1,m] { ((a[k]+1)^2+b[k]^2)・p[k]/4 + … + (a[k]^2+(b[k]-1)^2)・p[k]/4 } ※…の部分は、解答では略しちゃダメ =Σ[k=1,m] (a[k]^2+b[k]^2+1)p[k] =Σ[k=1,m] (a[k]^2+b[k]^2)p[k] + Σ[k=1,m]p[k] =E[n]+1 となる。 --
言っていることは、ヨッシーさんの説明の通りですが、それを数式化すると上のような感じになります。 なお、(a[k]+1,b[k]),(a[k]-1,b[k]),(a[k],b[k]+1),(a[k],b[k]-1)の4通り分書くのが面倒な場合は、 aとbの対称性 ( E(a^2)=E(b^2) ) を利用して、 E[n]=E(a^2+b^2)=E(a^2)+E(b^2)=2E(a^2) としておけば、多少は楽になります。 ※その場合、1/4の確率で a+1, 1/2の確率でaのまま、1/4の確率でa-1 の3通りで考える
|
No.28287 - 2014/08/16(Sat) 12:02:23 |
| ☆ Re: 期待値の意味 / マリー | | | 両者様、大変お詳しい解説をしてくださいまして、ありがとうございました。納得できました。
|
No.28311 - 2014/08/17(Sun) 14:33:36 |
|