黄桃先生,再度すみません。
http://www2.rocketbbs.com/11/bbs.cgi?id=yosshy&mode=pickup&no=25358 の続きです。
> fがC^1級ということから、x∈(0,|b-a|)に対してはh∈Rが十分小さければ、 > f(x+h)=f(x)+f'(x)h+o(h) (oはランダウの記号) > となります
f(x+h)=f(x)+f'(x)h+o(h) という式はTaylor定理からなのでしょうか?
o(h)はf''(c)(x)^2/2! (c∈(a,x))の事ですよね。 つまり, xを中心しての展開だからf(x+h)=f(x)(x+h-x)^0/0!+f'(x)(x+h-x)^1+f''(c)(x+h-x)^2/2! (但し,c∈Ball(x,|h|),|x-c|<|h|)という風に書かれてるだと思いますが(∵Taylorの定理)
しかし,fはC^1級なので2階微分可能かどうかは分かりませんよね。 なので,Taylorの定理は使えないと思うのですが。。いかがでしょうか?
それともTaylorの定理を使われたのでないのでしたら,f(x+h)=f(x)+f'(x)h+o(h)という式はどこから来たのでしょうか?
あと,
>> 今,fはAでC^1級なのでAでC^∞級ですよね。 > 違います。前うかがった定義では、fは複素正則関数ではありません。
これはそうでした。(複素関数)fが正則の時,C^∞級となるのでしたね。 今,Aは開領域ではなく,内点を持たないただの線分でしたね。なのでfは正則にはなりえないのでした(∵正則の定義)。
> 実質的に fは区間[0,|b-a|]からR^2へのC^1級写像です。 > 像のR^2 を複素数平面C と同一視しているだけです。
これによると,fが複素関数であっても,定義域が線分(つまり,区間)なら, 一変数のTaylor展開が使えるので,fは微分可能であればさえよく,正則である必要はないのですね。
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No.26018 - 2014/05/19(Mon) 10:03:34
| ☆ Re: |f(b)-f(a)|≦|b-a|sup{|f'(t)|;t∈A} / 黄桃 | | | > o(h)はf''(c)(x)^2/2! (c∈(a,x))の事ですよね。 ここが違います。もしfが2回微分可能なら、これがいえますが、今の主張はもっと弱いです。
g(h)=f(x+h)-f(x)-f'(x)h という(0の近くで定義されたhについての)関数を考えると、 g(h)/h=(f(x+h)-f(x)-f'(x)h)/h=(f(x+h)-f(x))/h-f'(x) となりますから、f’の連続性(fはC^1級ということ)より lim_[h→0] g(h)/h=f'(x)-f'(x)=0 です。 これはg(h)=o(h)であることを意味しています。
#C^1級の関数を局所的に「直線」近似すると、誤差項は o(h)だ、という意味です。 #具体的にいえば、「直線」近似すると、xから距離0.01(0.001)程度の場所の誤差は #0.01(0.001)と比べれば(比をとれば)無視できるほど小さい、ということです。 ##fの値域がR^2やCなら、「直線」近似は平面近似(普通はxでの接平面で近似)です。
>これによると,fが複素関数であっても,定義域が線分(つまり,区間)なら, >一変数のTaylor展開が使えるので,fは微分可能であればさえよく,正則である必要はないのですね。
fは一見、複素数の部分集合から複素数の部分集合への関数に見えますが、 実体は、f:[0,1]→R^2, f|(0,1)はC^1級の実関数、です。だから、 実関数としての定理が全部使える状態にすぎない、ということです。 もしコーシーリーマンの関係式を満たせば複素正則関数とみることもできますが、 当面はその保証がないので、複素関数としての定理は使えません。
元の問題を複素数をつかわず、実関数の言葉で書き直せば次のようになります: f:[0,1]→R^2, R^2にはユークリッド距離(普通の距離)を入れ、 大きさを| |で表す。 fは[0,1]で連続かつ(0,1)上C^1級で、f(0)=a, f(1)=b の時、 |f(b)-f(a)|≦|b-a|sup{|f'(t)|;0≦t≦1} を示せ。
もちろん、f:U→C (UはCの部分集合)が複素正則関数なら、上記の仮定を満たすので、結論も従いますが、 もっと弱い仮定でいいよ、というのが定理の主張でしょう。
#「先生」というのは、先に生まれた程度の意味しかないとしても、 #私は好きではないので、やめてもらえますか。
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No.26028 - 2014/05/19(Mon) 23:16:56 |
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