f(x)=(x-1)/(2x+3),g(x)=(-x)/(x+1) f(g(x))=(-2x-1)/(x+3)の 分母分子のそれぞれについて xの係数と定数項を見たまんま行列に表すと (f(x)の行列)(g(x)の行列)=f(g(x))の行列 になる理由が分かりません。 A= 1-1 23 B= -1,0 1,1
AB= -2-1 1,3
実際にf(x)=(px+q)/(rx+s), A= p q r s などとおいても確かに (f(x)の行列)(g(x)の行列)=f(g(x))の行列 の関係は成り立ちましたがなぜ f(x)=(px+q)/(rx+s)が A= p q r s と対応しているのかが分かりません。
たまたまひまつぶしに f(x)=(px+q)/(rx+s)から A= p q r s とでも置いて g(x)=(tx+u)/(vx+w)から B= t u v wと置いてみたら f(g(x))の分母分子それぞれのxの係数、定数項の数字と ABの成分が一致していた、ということですか?よろしくお願いします
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No.19417 - 2012/12/15(Sat) 12:42:05
| ☆ Re: 高校生 / ast | | | 述べ方はまあいろいろあるとは思いますが, 理由をきちんと理解するには, 高校レベルを超える話になると思いますので, 今の段階では「たまたま」と受け取っておくほうが無難だと思います.
一応掻い摘んで説明するとすれば, まず厳密には > (f(x)の行列)(g(x)の行列)=f(g(x))の行列 > にな りません. そもそも分数は分子分母に同じものを掛けても変わりませんので, 例えば ((1,-1);(2,3)) だけではなくて ((2,-2);(4,6)) など "f の行列" が無数にあることになり, しかも問題の行列の等式は左右で同じ "f の行列", "g の行列" を用いなければ成立していませんから, f,gそのものではなくその分数での表示の仕方に依存することになります. # いま, f(x) と f とを意図的に区別しました. あとで x の方もいじくるので, "x が f で f(x) に写る" というようなことを考えたいからです.
実際には, 表示の仕方に依らず f, g だけから決まるものを新しく考えるのですが, それを厳密に述べるには射影空間や同値関係といったような数学的な道具を理解する必要があります. これは, 今の場合で言えば「定数倍しただけのものは全部同一視する」というような一見して自明でない操作が, 論理的に矛盾なく展開できることを言っていて, 高校レベルでは大ナタです. それなりの成書を読む必要があるでしょう.
そういった前提を踏まえたと仮定してもう少し書いておきます. 定数 λ≠0 に対して ((λa,λb);(λc,λd)) と書ける行列を全て同一視したもの(ここでは仮に [(a,b);(c,d)] と書きます)を矛盾なく考えることができるし, このとき, f と [(a,b);(c,d)] とが一対一に対応します. また, もう一つ重要な道具として, 点 (a,b) と定数 c≠0 に対して (ca,cb) の形に書ける点は全て同じものと見做したものを [a:b] と書くと, 先の段落に述べた意味で x と [x:1] を同一視することができます(なお, このとき [1:0] は対応する x が取れない余分な点で ∞ と書きます).
ここで [(a,b);(c,d)] と [x:1] との積を 2x2 行列 ((a,b);(c,d)) と縦ベクトル (x,1) との行列としての積として得られる点 (p,q) に対応する [p:q] を与えるものと矛盾なく定義することができて, [p:q] = [ax+b:cx+d] = [(ax+b)/(cx+d):1] ですから, これで (ax+b)/(cx+d) と "[(a,b);(c,d)] と [x:1] との積" とが対応していることがわかります.
行列の積がある種の写像 (一次変換) の合成と対応することは, あるいは高校のカリキュラムにあるかもしれませんが, 少なくとも大学で理系に進めば線型代数学でやると思いますので, これで当初の疑問に対する回答としては十分と考えます.
# 以上の説明はだいぶ大雑把でツッコミどころもあるでしょうし, これだけで全部わかるということではないということは改めてお断りしておきます. また, 最初に述べたように, もっと別な分かり易い説明の仕方もあるかもしれませんが, 私はよく知りません.
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No.19422 - 2012/12/16(Sun) 02:24:51 |
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