a(n+1)=2an+4bn b(n+1)=5an+3bn(n=1,2,3・・・) 数列{an+kbn}(n=1.2.3・・)が等比数列となるような実数kの値を求めよ。またそのときの公比rを求めよ。
1:k=2+5k:4+3kよりk=1,-4/5 ですが解説に『これ以外の場合』もありえます。もしan=dbn(dは定数)となることがあれば{an+kbn}も等比数列です。とあるのですが、『これ以外の場合』というのはan=dbnとなる時だけなのでしょうか?(質問1)また、an=dbnとなるdが存在するような連立漸化式を本問になぞらえて挙げて下さい。(質問2) どうかよろしくお願いします。
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No.18307 - 2012/08/12(Sun) 15:51:47
| ☆ Re: 数列の厳密な解答 / angel | | | > 『これ以外の場合』というのはan=dbnとなる時だけなのでしょうか?(質問1)
はい。そうです。 k=1,-4/5 以外ならどの値でも同じなのですが、例えば k=-1 の場合を挙げて計算を試してみましょうか。 なお話を単純にするため、分数の分母に来る数は全て非0としておきます。( だからといって結論が変わるわけではありません )
a(n+1)+(-1)・b(n+1) = (2an+4bn) + (-1)・(5an+3bn) = -3an + bn ∴ ( a(n+1)+(-1)・b(n+1) ) / ( an+(-1)・bn ) = (-3an + bn) / ( an - bn ) = -3 - 2bn / ( an - bn ) = -3 - 2 / ( an/bn - 1 )
この形から、{ an+kbn } の隣り合う2項の比がどこでも一定であること ( つまり等比数列であること ) と、an/bn の比がnの値によらず一定であることは同値であると分かります。
> an=dbnとなるdが存在するような連立漸化式を本問になぞらえて挙げて下さい。(質問2)
いや、この問題でも ad=dbnとなるような状況はありえますよ。 例えば bn=β・(-2)^(n-1), an=-β・(-2)^(n-1) ( βは定数 ) は an=-bn を満たし、かつ問題にある連立漸化式も満たしています。 この an, bn の組み合わせの場合、任意の k に対し { an+kbn } は等比数列になり、その公比は -2 です。 ※k=1の場合は an+kbn=0 ( 全項 0 ) となるため、等比数列として扱うかどうかは微妙な所なのですが
…まあ、おそらく初項の値の条件から、このような an,bn の組み合わせは成立しないように調整されていると思いますが。
ちなみに、ここらへんを自分で計算する場合は、問題の連立漸化式に an=dbn を代入して d を求めてみてください。d を求めたら更に漸化式に代入することで、bn に関する漸化式が導かれます。
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No.18313 - 2012/08/13(Mon) 00:55:58 |
| ☆ Re: 数列の厳密な解答 / jkw | | | k=−1の時にしか言えていないので不安はぬぐえませんがなんとなくはわかりました。ありがとうございます。
「おそらく初項の値の条件から、このような an,bn の組み合わせは成立しないように調整されている」ということですが、そのようなan,bnの組み合わせが成立するように、連立漸化式を作ってくださいというのが質問2の内容です。どうかよろしくお願いします。
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No.18318 - 2012/08/13(Mon) 16:47:13 |
| ☆ Re: 数列の厳密な解答 / angel | | | > k=−1の時にしか言えていないので不安はぬぐえませんが もし解答に書くのであれば、一般のkで計算してください。理屈はまったく同じです。 ※ただ、そこまで書かなくとも、「k=1,-4/5 または an=dbn」と説明すれば十分でしょうけれども。
> そのようなan,bnの組み合わせが成立するように、連立漸化式を作ってくださいというのが質問2の内容です。 これについては、 >> いや、この問題でも an=dbnとなるような状況はありえますよ。 と回答した通りです。 問題文のままの連立漸化式でも、そのようなan,bnの組み合わせは成立しえます。なので、別の漸化式を作る意義がイマイチ見出せません。もちろん作ることは可能ですけど…。 それに、どのような漸化式であれ、初項の条件による縛りがあれば、an=dbn は成立しなくなりますし。
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No.18321 - 2012/08/14(Tue) 01:57:50 |
| ☆ Re: 数列の厳密な解答 / jkw | | | 書き忘れていましたが a1=2,b1=1 a(n+1)=2an+4bn b(n+1)=5an+3bn(n=1,2,3・・・) です この問題ではan=dbnとなるdが存在しないので dが存在する問題になるよう係数や初項などをいじくって ほしいというのが質問2の意図だったのですが、 「どのような漸化式であれ、初項の条件による縛りがあれば、an=dbn は成立しなくなる」のですか・・・。それでは作りようが無いですね。しかし「 」は何故ですか?
よろしくおねがいします
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No.18330 - 2012/08/14(Tue) 15:03:49 |
| ☆ Re: 数列の厳密な解答 / jkw | | | a1=2,b1=1 a(n+1)=2an+4bn b(n+1)=5an+3bn(n=1,2,3・・・) 「どのような漸化式であれ、初項の条件による縛りがあれば、an=dbn は成立しなくなる」理由を説明できる人、誰でもいいのでお願いします
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No.18335 - 2012/08/16(Thu) 20:27:09 |
| ☆ Re: 数列の厳密な解答 / angel | | | お待たせしました。夏休み(家族サービスとも言う)でしばらくパソコンから遠ざかっておりました。
> a1=2,b1=1 ああ、やはり初項の条件もあるのですね。これはおそらく、 > …まあ、おそらく初項の値の条件から、このような an,bn の組み合わせは成立しないように調整されていると思いますが。 と言った通りの意図があるためでしょうね。 ※でないと、解答として「任意のkで成立」が含まれるという、出題・採点者側にとってもややこしい問題になってしまうでしょうから。
> この問題ではan=dbnとなるdが存在しないのでdが存在する問題になるよう係数や初項などをいじくってほしいというのが質問2の意図だったのですが、
初項の条件さえ出れば、それに回答するのは簡単ですが、そこは自分で頭を使うところかなとは思います。考えるための材料はずいぶん出ているはずなので。 ※まあ、「材料が出ている」なんてお節介なことを伝える人は普通いないので、次からは自分で探すモノと思った方が良いでしょう。
例えば、a1=2, b1=1 という初項で an=dbn が成立しうるとすれば、an=2bn しかないので、漸化式としては、 a(n+1)=an+2bn b(n+1)=2an-2bn とか。an=2^n, bn=2^(n-1) という解が an=2bn を満たしますね。 テキトーに a(n+1)=an+2bn を決めてしまえば、an=2bn ( a(n+1)=2b(n+1) ) から b(n+1)=2bn が決まってしまうので、またテキトーに an=2bn を何倍かして辺々足せば、こういう漸化式を幾らでもでっちあげることができます。
逆に元の問題の a(n+1)=2an+4bn, b(n+1)=5an+3bn であっても、初項の条件で縛られなければ bn=β・(-2)^(n-1), an=-β・(-2)^(n-1) が an=-bn を満たすことが提示されているのですから、これに都合の良い条件をでっちあげれば良いのです。 例えば、a1=2, b1=-2 という初項の条件であれば、bn=(-2)^n, an=-(-2)^n が、an=-bn を満たす解になりますね。 ※β=-2 に該当
最後に、 > 「どのような漸化式であれ、初項の条件による縛りがあれば、an=dbn は成立しなくなる」のですか・・・。 > しかし「 」は何故ですか? 「」に深いイミはないので、悩まないのが吉です。 「初項の条件がつくと、それがどんな条件であれ、an=dbnが成立しなくなる」なんてことは言ってませんからね。 「初項の条件がつくと、それが都合が良ければ an=dbn が成立するけど、都合が悪ければ an=dbn が成立しない」というだけの話ですからね。( そして大抵は都合が悪いものなので…。出題者側の都合により )
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No.18336 - 2012/08/17(Fri) 17:15:53 |
| ☆ Re: 数列の厳密な解答 / jkw | | | ありがとうございます。 今度は逆に、解く事を考えてみます。
a1=2, b1=1 a(n+1)=an+2bn・・?@ b(n+1)=2an-2bn・・?A の一般項を求めよ。 という問題の答案を書けと、言われたとします 解) a(k+1)+b(k+1)=an+2bn+k(2an-2bn) (1+2k)an+(2-2k)bn=(1+2k)an+(2-2k)bn これは全てのkについて成り立つ 【 】 an=dbnであると仮定すると 2=d・1 d=2よりan=2bn よってb(n+1)=2bn∴bn=2^n-1∴an=2^n これを?@、?Aに代入すると成り立つので bn=2^n-1,an=2^n は求める(an,bn)の1つとして適する。 [(an,bn)がこれ以外に無い事を示す]
この回答を完成させるには、[ ]内を示すか、【 】でanがbnの定数倍になるしかないという事を示すことになります。(【】が言えれば、an=dnと仮定するとの部分はan=dbnよりとなります)
質問1.[ ]内の示し方、または【】内に何を入れればいいのか教えてください。
質問2.【 】内に【全てのkについて成り立つ⇔an,bnは一次独立より】を入れることが出来ますか?
こんな問題入試で出ないからナンセンスだとも思われるかもしれませんが、その場合は友達同士で問題を出し合っているとでも考えてください。どうかよろしくお願いします。
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No.18337 - 2012/08/18(Sat) 00:54:51 |
| ☆ Re: 数列の厳密な解答 / angel | | | > こんな問題入試で出ないからナンセンスだとも思われるかもしれませんが、 実はこの手の問題は、高校の数学と大学の数学の狭間に位置するもので、jkwさんがスッキリできないとしてもある意味、無理のない所です。
さて、せっかく解答の骨組みを考えて頂いたのですが、その方向ではうまく行きません。そのため質問1,2についてはボツとさせて頂きます。
理由としては、
・k を求める意義を誤解している 元の問題にある k を厳密に求めるなら、an=dbn というケースをケアして、「k は任意の値を取り得る」という結果が得られます。が、それでは an,bn を求めるためには役に立ちません。 あくまで k を求めるのは、それが an,bn を求めるために役立つツールとして使えるからです。そこを把握しておかないと、枝葉末節に囚われ本当の目的を見失ってしまいます。 ※もちろん、小問として「kを求めろ」と言われたら、k が一つの目的となるわけですから、厳密に考えなくてはなりませんがね。 ※ただ、枝葉の部分でハマっても困るので、試験の問題としては an=dbn という例外的な状況になるのを避けるのです。フツーは。「出題者の意図」にはこのことも含まれます。
・an=dbn に拘りすぎている これはそのままです。 an=dbn となるかどうかは、初項の条件が都合が良いか悪いか、ただそれだけで決まるもので、本質ではないのです。 加えて、an=dbn をスタート地点に置いても、an=dbn を満たさない an,bn の存在についてはサッパリ分かりません。それを知るためには、 1. 漸化式から an,bn の概形を絞り込む 2. 初項の条件から詳細を決定する というステップを踏まざるを得ません。( 高校範囲ではここまでハッキリ分けることはできないけれど ) an=dbn という性質は、あくまで、ある都合の良い初項条件の時に現れるオマケであって、それを元に問題を解くためのものではないと考えてください。
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No.18338 - 2012/08/18(Sat) 08:58:39 |
| ☆ 解答例 / angel | | | では、 a1=2, b1=1, a(n+1)=an+2bn, b(n+1)=2an-2bn の時、an,bn の一般項を求めよ の解答例を書いてみます。
2a(n+1)+b(n+1) = 4an+2bn = 2(2an+bn) これより、数列 {2an+bn} は公比2の等比数列である。 a1=2, b1=1 よりこの数列の初項 2a1+b1=5 である。 a(n+1)-2b(n+1) = -3an+6bn = -3(an-2bn) これより、数列 {an-2bn} は公比-3の等比数列である。 a1=2, b1=1 よりこの数列の初項 a1-2b1=0 である。 ゆえに、 2an+bn=5・2^(n-1) an-2bn=0・(-3)^(n-1) この連立方程式を解いて an=2・2^(n-1)=2^n, bn=2^(n-1)
※え? 2an+bn とか an-2bn の係数はどうやって決めたかって? それは解答に書く必要はありません。でもこの裏で k を求める計算をしているわけです。
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No.18339 - 2012/08/18(Sat) 09:34:17 |
| ☆ Re: 数列の厳密な解答 / jkw | | | 回答ありがとうございます。 一斑項を求めることは18339の解法で機械的にできるのです。 (?@+?A*1/2,?@−?A*2) 趣旨は答え(一斑項)を出す事では無い事を言いそびれておりました。
an=dbn に拘わっているのは数列の一次独立について理解したいからです。数列の一時独立について解説お願いします。
kを求める意義を誤解しているというよりは計算ミスですね。おかしなことをやっちゃってます。 a(n+1)+kb(n+1) =an+2bn+k(2an-2bn) =(1+2k)an+(2-2k)bn 1;k=1+2k:2−2k よりk=1/2,-2とちゃんとkの値は出るんですね。
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No.18340 - 2012/08/18(Sat) 10:15:39 |
| ☆ 一次独立 / angel | | | なるほど。 > an=dbn に拘わっているのは数列の一次独立について理解したいからです。 であれば、「拘ってもしようがありません」が答えです。 ※初項の条件で成立したりしなかったりするような性質は、本質ではないのです。
一次独立について理解しようとするなら、線形代数という大学レベルの話に踏み込む必要があります。 ※大学レベルだから高校生では無理、と言うつもりはないけど、一口に説明はできかねます ( 多分聞いても把握しきれない ) …この問題でその影に少しでも触れたいのであれば、せめて初項の条件がない場合の解を計算してみることです。 もし(線形代数について)自習するのであれば、行列の固有値、固有ベクトル、対角化、そういった所が対象になるでしょうね。
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No.18341 - 2012/08/18(Sat) 11:00:33 |
| ☆ Re: 数列の厳密な解答 / angel | | | > > an=dbn に拘わっているのは数列の一次独立について理解したいからです。 > であれば、「拘ってもしようがありません」が答えです。
あれから考えてみましたが、an=dbn を利用して一次独立の性質に触れることも一応可能そうなので、挙げてみます。( 解答としては使えないと思いますが… )
まず、an=dbn を満たす d を求めます。{an}={bn}={0} という特殊な例を除けば、2種類の値が出てきます。 漸化式 a(n+1)=an+2bn, b(n+1)=2an-2bn に an=dbn, a(n+1)=db(n+1) を代入し、さらに b(n+1) を消去すれば (2d^2-3d-2)bn=0 ということで、2次方程式 2d^2-3d-2=0 を解いて、d=2,-1/2 が得られます。
さて、an=dbn と b(n+1)=2an-2bn から b(n+1)=(2d-2)bn という漸化式が得られ、bn が等比数列であることが分かりますから、 d=2 の時、公比2、bn=α・2^(n-1), an=2bn=α・2^n d=-1/2 の時、公比-3、bn=β・(-3)^(n-1), an=-1/2・bn=-β/2・(-3)^(n-1) と2系統の解が得られます。
この「2系統の解」というのが「一次独立」の関係にあり、一般の ( 初項の条件がない場合の ) 解 an,bn はこれらの重ね合わせとして、 bn=α・2^(n-1)+β・(-3)^(n-1), an=α・2^n-β/2・(-3)^(n-1) と求めることができます。
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No.18342 - 2012/08/19(Sun) 13:50:44 |
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