λは固有値とします
2-2行列Aのn乗を求めるときAを -2-1 1-4 として det(A-λE)=0より λ^2+6λ+9=0 よってA^2+6E+9=0 x^n=(x^2+6x+9)f(x)+px+q・・?@として 両辺xで微分したものを?@’ ?@にx=3を代入して-3p+q=(-3)^n ?@’にx=3を代入してp=n(-3)^(n-1) よってp、qの値が求まった ?@でxをAにかえて A^n=PA+9E=〜
この方法で3−3行列Bのn乗を求めてみました。Bは +3+1+1 -1+1-1 00+2 です det(B-λE)=0よりクラーメルの公式を使って (λー2)^3=0 よって(B−2E)^3=0 x^n=(x-2)^3+px^2+qx+r・・あ) 両辺xで微分して nx^(n-1)=3(x-2)^2f(x)+(x-2)^3f'(x)+2px+q・・(あ)’ さらに微分して n(n-1)x^(n-2)=6(x-2)f(x)+3(x-2)^2f'(x)+2p・・(あ)” (あ)’、(あ)”にx=2を代入してp、qが得られる p=n(n-1)2^(n-3) q=n(2-n)2^(n-1) (あ)にx=2を代入してr=2^(nー1)(n^2-3n+2) xをBにおきかえて B^n=(B-2E)^3f(B)+pB^2+qB+r =pB^2+qB+r =・・・
この方針で合っているか教えてください。よろしくお願いします
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No.18496 - 2012/09/08(Sat) 11:53:57
| ☆ Re: 3−3行列のn乗 / angel | | | > この方針で合っているか教えてください。 特に間違ってはいません。 ただ、(B-2E)^3=O だけではなく (B-2E)^2=O にも気付ければ、もっとラクができます。 ※固有方程式 (λ-2)^3=0 の場合、(B-2E)^3=Oの成立は確実ですが、Bによっては B-2E=O もしくは (B-2E)^2=O も成立することがあるのです。
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No.18515 - 2012/09/08(Sat) 20:38:59 |
| ☆ Re: 3−3行列のn乗 / クロック | | | 回答ありがとうございます。
間違ってないのですか、意外でした。 いくつが気になっている点があるのですが、 (λー2)^3=0 よって(B−2E)^3=0という風に固有方程式の固有値λを行列Bに置き換えるのはどんな行列でもできるのですか?(てっきり2−2行列の時のみだと思っていました)
また、最後の段階でxをAやBなど行列に置き換えていますが、xを微分したものをAやBなど行列で置き換えていいのでしょうか?行列は微分できませんよね。。
よろしくお願いします。
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No.18516 - 2012/09/08(Sat) 21:16:59 |
| ☆ ハミルトン・ケイリーの定理 / angel | | | > 固有方程式の固有値λを行列Bに置き換えるのはどんな行列でもできるのですか? …あれ? ひょっとして高校生の方でしょうか? ( 3x3行列の話だからてっきり大学生かと… ) 「固有方程式に対して、変数λを形式的に行列Bに、定数 c を cEに (特に 0 は 零行列Oに) 置き換えた、行列の等式が成立する」これこそがハミルトン・ケイリーの定理です。なので、どんな行列でもできます。 ※高校だと、2x2行列で単に X^2-(a+d)X+(ad-bc)E=O と習うでしょうが、これも固有方程式 (a-λ)(d-λ)-bc=0 から来ているので…
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No.18517 - 2012/09/08(Sat) 21:48:53 |
| ☆ 多項式と行列計算の変換 / angel | | | > また、最後の段階でxをAやBなど行列に置き換えていますが、xを微分したものをAやBなど行列で置き換えていいのでしょうか?行列は微分できませんよね。。
これはちゃんと理解しておかないと、ちょっと危ない所ではあります。
先にちょっと例を見ていただきましょう。 x^4=(x-2)^3・(x+6) + 24x^2-64x+48 これは x に関する恒等式です。 ここで形式的に、x→X, 定数 c→cE と置き換えてみます。 X^4=(X-2E)^3・(X+6E) + 24X^2-64X+48E 実は、というのもしらじらしいですが、この行列に関する等式も成立します。なぜならばX同士、もしくはX,E間の掛け算は交換が可能だからです。 ※一般にはこういう置き換えは無理です。 例えば (x-y)^2=x^2-2xy+y^2 だからといって、(X-Y)^2=X^2-2XY+Y^2 は言えません。 XY=YX が一般には成立しないからです。
さて話を本題に戻して。 今回の問題の解法の理屈としては、
1. Bの固有方程式は (λ-2)^3=0 である 2. 多項式 x^n に関して、x^n=(x-2)^3・f(x)+px^2+qx+r が恒等式となる f(x),p,q,r が存在する 3. 2.の恒等式を形式的に置き換えた次の等式も成立する B^n=(B-2E)^3・f(B)+pB^2+qB+rE 4. ハミルトン・ケイリーの定理より (B-2E)^3=Oのため B^n=pB^2+qB+rE である。
ですね。 ※(B-2E)^2=Oを利用した方が楽ですが、ひとまず置いておくとして ここで、2は多項式の話、3以降は行列の話です。つまり、多項式の計算結果を行列の計算に利用しているわけです。 そうすると、p,q,rを求める時には、多項式に使えるネタは何でも使えます。微分もO.K.です。「行列は微分できないのに…」とか、そういったことは気にする必要がないのです。 あくまで、「多項式の世界での計算結果を利用して、行列の計算をしている」からです。多項式の世界で何をしようと、結果さえ出れば、それで行列の計算ができるのです。
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No.18519 - 2012/09/08(Sat) 22:25:36 |
| ☆ Re: 3−3行列のn乗 / クロック | | | ありがとうございます。数学科でない大学生です。
理解できました。ありがとうざいます。
話は変わりますが、 固有方程式 (λ-2)^3=0 の場合、B-2E=O もしくは (B-2E)^2=O も成立することがあるとのことですが、 例えば(λー2)^4=0ならBー2E=0,(B−2E)^2=0,(B−2E)^3=0の可能性もあるといった具合に固有方程式の次数が上がっても言えることですか?
また、片一方が重解の時(例えば(λ-1)(λ-2)^2=0など)は (B-E)(B-2E)^2=0以外にもBについて何か成り立つのでしょうか?
どうか教えてください。よろしくお願いします。
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No.18525 - 2012/09/09(Sun) 00:57:26 |
| ☆ Re: 3−3行列のn乗 / angel | | | > …(略)…の可能性もあるといった具合に固有方程式の次数が上がっても言えることですか?
そうです。
> また、片一方が重解の時(例えば(λ-1)(λ-2)^2=0など)は > (B-E)(B-2E)^2=0以外にもBについて何か成り立つのでしょうか?
今後、「最小多項式」に関するお話を聴く機会があると思います。それがちょうど今回の問題にあたります。
最小多項式 p(x) とは、形式的に行列Xを代入した式につき p(X)=O が成立し、かつその中で次数が最小のものをさします。
この p(x) に関し、方程式 p(x)=0 は X の固有値を全て根として持ちます。なので固有方程式に重解がない場合、p(x) は固有多項式と一致します。
しかしながら、固有方程式に重解がある場合は一致するとは限りません。 例えば、元の質問にあった問題のBならば、p(x)=(2-x)^2 であり、固有多項式 (2-x)^3 とは一致しません。
また、一部の解が重解の場合。質問にあるように、固有多項式が (1-x)(2-x)^2 ( 固有方程式 (1-λ)(2-λ)^2=0 ) の場合、最小多項式 p(x) は、 p(x)=(1-x)(2-x)^2 ( つまり、(E-B)(2E-B)^2=O、(E-B)(2E-B)≠O ) p(x)=(1-x)(2-x) ( つまり、(E-B)(2E-B)=O ) の2通りがありえます。
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No.18536 - 2012/09/09(Sun) 18:54:01 |
| ☆ Re: 3−3行列のn乗 / クロック | | | わかりやすい回答ありがとうございます。
実は教養課程の線形代数は終わってしまったので授業ではもう聞く機会はないのです。
つまり(固有多項式)=0のとき(最小多項式)=0で、最小多項式=0のλについてもケイリーハミルトンの定理が使える(λを行列Aに置き換え可能)という理解であっていますでしょうか?
例えば与えられた3−3行列の固有多項式の次数が何次なのかというのを(実際に成分計算せずに)判別する方法はあるのでしょうか?
よろしくお願いします。
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No.18537 - 2012/09/09(Sun) 19:48:12 |
| ☆ Re: 3−3行列のn乗 / angel | | | > 実は教養課程の線形代数は終わってしまったので授業ではもう聞く機会はないのです。
おや、そうでしたか…。 そうすると、「ジョルダン標準形」までは進まなかったのでしょうかね。「最小多項式」は「ジョルダン標準形」と関わりの深い所なので、そこまで進んでいれば話題に上っていただろうと思います。 もちろん、今からご自身で参考書なりを読んで勉強しても良いと思いますし、Web上でも説明が載ってたりもします。 ※例えば、http://www.tsuyama-ct.ac.jp/matsuda/linear/lin0.htmlとか
> つまり(固有多項式)=0のとき(最小多項式)=0で、最小多項式=0のλについてもケイリーハミルトンの定理が使える(λを行列Aに置き換え可能)という理解であっていますでしょうか?
ちょっとこの表現だと言葉が足りない気がするので、補完してみますが、
行列Xの固有多項式φ(x)および最小多項式p(x)に対して、 φ(λ)=0 ⇔ p(λ)=0 が成立。この時のλが固有値である。 そのため、φ(x), p(x) とも (λ1-x)^d1・(λ2-x)^d2・… の形をしている。( λ1,λ2,…は固有値、d1,d2,…は1以上 ) ケイリー・ハミルトンの定理とは、φ(X)=O が成立することを指す。 また、p(X)=O は最小多項式の定義に含まれる条件であり、明らかに成立する。 今回の問題のように X^n を求める問題では、ケイリー・ハミルトンの定理が活用できるが、最小多項式も同様に利用でき、それにより更に楽ができる場合もある。
という感じでしょうか。
> 例えば与えられた3−3行列の固有多項式の次数が何次なのかというのを(実際に成分計算せずに)判別する方法はあるのでしょうか?
これは、最小多項式の話で良いでしょうか? ※固有多項式は行列式 det(X-xE) を計算するだけですし… 各項 (λ-x)^d の次数 d を決定するには、実際に(λE-X) を1乗,2乗,…と成分計算して確かめるしかないように思います。
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No.18562 - 2012/09/10(Mon) 23:14:22 |
| ☆ Re: 3−3行列のn乗 / クロック | | | 回答ありがとうございます。
実際ジョルダン標準形とやらでn乗を求めるやり方はNo.18496のやり方と比べて計算量は減るのでしょうか?
すみません、間違えました。例えば与えられた3−3行列の最小多項式の次数が何次なのかというのを(実際に成分計算せずに)判別する方法はあるのでしょうか?つまりA−E=0なのか(A−E)^2=0なのか(A−E)^3=0なのかを実際にA−E、(A−E)^2など成分計算して求めずに簡単に見分ける方法はないのでしょうか?
よろしくお願いします。
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No.18568 - 2012/09/11(Tue) 02:19:12 |
| ☆ Re: 3−3行列のn乗 / angel | | | > 実際ジョルダン標準形とやらでn乗を求めるやり方はNo.18496のやり方と比べて計算量は減るのでしょうか?
ジョルダン標準形を求めてn乗を計算する方が計算量は多いです。 上の回答でジョルダン標準形を持ち出した意図は、同じ固有多項式であっても最小多項式に差異が出る、その構造が見易くなる形だからです。なので、あくまで参考と考えてください。
> 成分計算して求めずに簡単に見分ける方法はないのでしょうか? No.18562で回答した通り、地道に成分計算するしかないと思います。
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No.18572 - 2012/09/12(Wed) 00:53:26 |
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