まず, あまり数学としては本質的でない質問であろうことをお断りしておきます. すいません.
私は大学生で, 家庭教師として中学3年生に数学を教えています. この中学3年生は, 幾何で証明問題を解くとき, "仮定" "結論" "証明" の3ステップに分けて解答を書くというように習っているようです. (私は私立だったためかこのようには習わなかったのですが, このように教えることが多いみたいですね) で, "結論"と"証明"はわかるのですが, "仮定"に何を書くべきなのか、教える立場の私が今一つ理解できていません.
今回"仮定"がよくわからなくて困っているのは次の問題です.
次の命題を証明せよ: (1)「2円 O, O' が 2点 A, B で交わる時, BA の延長上の点 P から引いた2半直線が円 O と交わる点を C, D, 円 O' と交わる点を E, F とすると4点 C, D, E, F は同一円周上にある.」
(2)「2円 O, O' が点 Q で内接しているとき, Q から引いた2半直線が2円と交わる点をそれぞれ A, B と C, D とすると △QAC ∽ △ QBD である.」
で, 私が思う仮定は次なのですが, これは正しいのでしょうか:
(1) 「4点 A,B,D,C および4点 A,B,E,F は同一円周上にある. [1] 3点 P,C,D および 3点 P,E,F は一直線上にある. [2]」 (2) 「2円 O,O' が点 Q で内接している [1]」
例えば (1) について, 以下のような疑問があります. まず [1] について. 「円 O 上に4点 A,B,D,C があり, 円 O' 上に4点 A,B,E,F がある」と書いた方が良いのだろうか…? でも証明に O とか O' とかいう記号は出てこない (方べきの定理で PC×PD=PA×PB=PE×PF を言えばいいだけなので) のでやはり不要のような…(もしも仮定にいくら余計なことを書いても構わないなら問題文をそのまま写せばOKのはずですが, それだとどうもダメなようですし…) しかし, この問題の場合「証明にOとかO'の記号が出てこない」のは証明を書く前から分かることじゃないんだし, となると別に書いてもいい…? とか考えてこんがらがってしまいます. それと [2]. これは必要なのかどうなのか…今回は「方べきの定理を使うから明示しておいた方がいいかな」と思ったのですが, 普通の証明問題で例えば「三角形ABCの線分AB上に点P, 線分AC上に点Qがあり, ∠BCP=∠CBQ とする…」みたいな証明問題があったとして, 「AB上に点Pがある」のような条件は普通仮定に入れないと思うのです. (仮定に入れないのはおそらく「図から明らかであり, ふつう証明において明示的にこの条件を使うことはないから」だと認識しております.) そうすると. これも入れなくてよいような…方べきの定理を使うにしたって「同一直線上にある」というのはいちいち明示的に断らないこともあるし. いや, でも「同一円周上にある」は仮定に入れて「同一直線上にある」は仮定に入れないのは不公平では…? むしろ逆に [1] もろとも無くしても…いやそれはダメか…
…などと考えれば考えるほど訳がわからなくなってきます.
前述した通り私は"仮定"を書くように習ったことがなく, 正直これの必然性がよくわからないのですが, 家庭教師をやっていて, テストでも"仮定"で間違えると減点される(ようです)以上, よくわからないからと見過ごす訳にもいきません. まあ別に唯一絶対の正解がある訳ではないのかもしれませんが. その辺のことも含めてどなたかご存知の方がいらっしゃれば教えていただけないでしょうか….
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No.18258 - 2012/08/08(Wed) 11:21:00
| ☆ Re: / b_78 | | | あ, もともとの問題には図がついています. (2)の文面でははっきりしませんが, 円 O との交点が A や C で 円 O' (円 O より小さい) の交点が B や D です。
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No.18259 - 2012/08/08(Wed) 11:24:34 |
| ☆ Re: / ヨッシー | | | 結論はそれぞれ、 (1)4点 C, D, E, F は同一円周上にある (2)△QAC ∽ △ QBD であり、仮定は、これらの結論が言えるだけの材料が全部揃っていないといけません。
形式にこだわらないなら、仮定は、 (1)2円 O, O' が 2点 A, B で交わる時, BA の延長上の点 P から引いた2半直線が円 O と交わる点を C, D, 円 O' と交わる点を E, F とする (2)2円 O, O' が点 Q で内接しているとき, Q から引いた2半直線が2円と交わる点をそれぞれ A, B と C, D とする ですが、本質部分だけ取り出すと、 (1) 4点 A,B,D,C および4点 A,B,E,F は同一円周上にある。 3点P,A,B、3点P,C,D、3点P,E,F はそれぞれ同一直線上にある。 (2) 2円 O,O' が点 Q で内接している。 3点 Q,A,C、3点 Q,B,D がそれぞれ同一円周上にある。 3点 Q,A,B、3点 Q,C,D がそれぞれ同一直線上にある。 で良いでしょう。
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No.18262 - 2012/08/08(Wed) 15:45:59 |
| ☆ 中学での証明 / angel | | | 参考資料としては↓でしょうか。
http://ir.lib.osaka-kyoiku.ac.jp/dspace/bitstream/123456789/3367/1/KJ471500059.pdf
ちょっと私では詳しく内容を理解しかねるのですが、幾何の証明という「論証」に苦労する子供が多いため、仮定・結論・証明と三段階に分けて整理させる方法を開発した、というところでしょうかね。 ※この資料の中では「作図の指導」というのも挙げられていますが。
ここでいう「仮定」というのは、結論を導き出すために使う条件のことのようで、要は問題文に記されている「前提条件」という認識です。 ※前提条件を整理して書くというのは…、差し詰め料理をする時に、必要な材料を都度探して調達するのではなく、最初に全て揃えてから調理に入るような、そんな感じなんでしょうかね。
あんまり「仮定」という言葉が合っているようには思えないのですが、ただまあ、敢えてそれを使っているのは、形の定まらない始原の世界に、問題で与えられる前提条件を「仮定」することで、それぞれ特徴を持った何らかの世界を創造していくような、そんなノリなんでしょうね。
…えー、すごくテキトーなことを言っている可能性が高いので、まあ話半分以下程度で聞いて(見て?)ください。
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No.18266 - 2012/08/09(Thu) 01:04:01 |
| ☆ Re: / 黄桃 | | | この問題なら次のようになるのではないでしょうか。
(1)の仮定: (a)2円 O, O' は 2点 A, B で交わる(点A,Bの特徴づけ) (b)PはBAの延長上にある(点Pの特徴づけ) (c)Pから、Oと2点で交わる半直線を引き、その2つの交点をC,Dとする(点C,Dの特徴づけ) (d)Pから、O'と2点で交わる半直線を引き、その2つの交点をE,Fとする(点E,Fの特徴づけ)
最初に「2点で交わる2つの円O,O'がある」が必要という人もいるかもしれません。
(2)の仮定 (a)2円 O, O' が点 Q で内接している(点Qの特徴づけ) (b)Q からO,O'と交わる半直線を引き、それがO,O'と交わる点をそれぞれ A,Bとする(A,Bの特徴づけ) (c)Q からO,O'と交わる((b)とは)別の半直線を引き、それがO,O'と交わる点をそれぞれ C,Dとする(C,Dの特徴づけ)
#ちなみに、仮定、結論をきちんと書く必然性は、実用的なもので、教わる方が #「知らないうちに結論を仮定する」ことを防ぐためです。 #複雑な問題になると「何が既知で何が未知か」が混乱してしまい、 #「できた」と思ったら結論を仮定していて堂々巡りということがあるからです。 #考える過程では「できたと思って考える」こともありますから変ではありません。 #なので、簡単な問題でもきちんと仮定と結論を分ける習慣をつけるのです。 #教わる方が優秀ならば(自然と理解しているので)必要ありません。 #もっともその場合は家庭教師も必要ないでしょうが。
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No.18268 - 2012/08/09(Thu) 08:34:10 |
| ☆ Re: / b_78 | | | やはり必要な条件は全て書くのがよさそうですね. angel さんが挙げてくださった資料にも「与えられた文を読んで, 生徒が仮定 と結論を同定することは, 必ずしも容易ではない」とありますしそういった必然性から仮定を書くようになっているのですね. 成程. 皆様ありがとうございました.
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No.18290 - 2012/08/11(Sat) 14:40:45 |
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