線型代数入門を写経しているのですが練習問題等には解答が付いていません。 証明問題などは証明に慣れておらず、また十分理解したと自分の中では思っていても理解できていない事も多々あります。 そういった事から論証不十分な点や言い回しが下手等ありましたらアドバイス下さると嬉しいです。 問題は画像に載っています。
![]() |
No.17823 - 2012/06/20(Wed) 12:38:23
| ☆ Re: 線型代数入門 / ハオ | | | 続きです。
![]() |
No.17824 - 2012/06/20(Wed) 12:39:27 |
| ☆ Re: 線型代数入門 / Halt0 | | | 計算はちゃんとは追っていませんが…,
>この連立方程式が解をもてば逆に…存在することになる "解をもてば"よいのであれば a_3=b_3=c_3=0 という自明な解が存在しますが, これではまずいので, そのことを断っておく必要があると思います. (また, 必須ではないかもしれませんが, S_1 や S_2 の法線ベクトルについても, a_1 などとおくときにa_1≠0 (太字はベクトルのつもり) などと断っておいたほうがよいと思います.) 実際, この証明だと例えば (i) で k=0 とすれば a_3=b_3=c_3=0 になってしまいますね.
ここからは私見が入るかもしれませんが, この手の証明問題は「一つでも条件を満たす法線ベクトルが存在することを示せば終わり」なので, 私なら「この連立方程式が解をもてば逆に…存在することになる」より後の計算過程は計算用紙のみに書いて証明には記述せず, 「実際 a_3=なんとかかんとか とすればこれは条件を満たす」で終わらせてしまいますね. また, 計算過程を省くかは別としても, 任意定数 (ですよね) として k をおいてみたり,「a_3 は任意にとれるので」のような書き方をしたりするよりは, 条件を満たす a_3, b_3, c_3 の値を具体的に一つだけ記述したほうが, 証明としてわかりやすいと思います. (実際, ある教授からこの種の証明問題で「任意に〜」と書かないように言われたことがあります. 一般的なルールなのかはよくわかりませんが, 個人的には, P を集合 X の元についての命題としたとき, ∀x∈X, P(x) ⇒ ∃x∈X, P(x) は必ずしも正しくない (X が空集合の可能性がある) から, 「任意」では良くないのかな…と考えています. これは余談でした.)
|
No.17834 - 2012/06/21(Thu) 02:48:01 |
| ☆ Re: 線型代数入門 / ハオ | | | わざわざ有難うございます とても為になりました。また質問する事があるかと思いますがその時にはどうぞ宜しくお願い致します。
|
No.17837 - 2012/06/21(Thu) 16:56:05 |
| ☆ Re: 線型代数入門 / angel | | | 特に間違ってはいないけれど、線形代数っぽくはないような気も。
2平面の法線ベクトルをa=t(a1 a2 a3), b=t(b1 b2 b3) (※tは転置-transposed-を表す。縦に書くのが面倒なので、横に書きたいだけ) としますね。ちなみに、a≠o, b≠o さて、今回の題意は、内積a・x=b・x=0 を満たす非ゼロベクトルxが存在することですので、x=t(x1 x2 x3) と置けば a1x1 + a2x2 + a3x3 = 0 b1x1 + b2x2 + b3x3 = 0 という連立一次方程式が、自明な ( x1=x2=x3=0 の ) 解以外の解を持つ、と同値です。ここまではハオさんの解答にもある通り。
で、線形代数ならばこれを 行列A=(a1 a2 a3) (b1 b2 b3) と置くとき、Ax=oが非ゼロベクトル解を持つ という形で整理したいかなあ、と思います。 ※線形代数って、世の中全て行列、みたいな世界なので。連立方程式を行列・ベクトル積の形に書き換えるのは常套手段。 そうすると、後は行列Aの性質に注力することができるからです。
既に習っているかどうか分かりませんが、模範解答例としては 正則な二次正方行列R2, 正則な三次正方行列R3として、 T=R2・A・R3 とした時、T=(対角成分が1、他が0の2×3行列) or (1行1列目が1、他が0の2×3行列) となるものが存在する。 ※どちらになるかはAの階数(rank)次第。Aはゼロ行列ではないので、rank(A)=1or2 すなわち、A=inv(R2)・T・inv(R3) (※inv()は逆行列を表します) Ax=o ⇔ inv(R2)・T・inv(R3)・x=o ⇔ T・inv(R3)・x=o ⇔ y=inv(R3)・x かつ Ty=o ⇔ Ty=o かつ x=R3・y のような進め方が考えられます。 後はTの要素を実際に見て計算してみれば良くて、例えば Ty=oの非ゼロベクトル解としてy=t(0 0 α) (α≠0) なんかが見つかったりします。( yが非ゼロならxも非ゼロであることに注意 )
|
No.17848 - 2012/06/22(Fri) 02:24:45 |
| ☆ 別解(ただし線形代数ではない) / angel | | | 線形代数ではないですが、もっと楽な別解はあります。 それは外積を使うこと。 つまり、3次元ベクトル a=(a1,a2,a3), b=(b1,b2,b3) に対して 外積 a×b=(a2b3-b2a3, a3b1-b3a1, a1b2-b1a2) を計算してあげれば、これはa,b両方に垂直なベクトルですから、もうこれで解がひとつ見つかったことになります。 ※素直に計算すれば、(a×b)・a=(a×b)・b=0 が分かります。
ゼロベクトルかどうか、ですが、|a×b|=|a||b|sinθ ( θはa,bのなす角 ) ですから、同じ方向さえ向いていなければゼロにはなりません。 ※別の言い方をすれば |a×b|^2 + (a・b)^2 = (|a||b|)^2
ちなみに、外積が出てくるのはベクトル解析の範囲になるはずでして、どちらかといえば物理をやるときの数学ですね。 高校範囲の物理でsinが出てくる話は結構外積で片付けられたりします。 例えば、ローレンツ力 f=qvBsinθ ( qは電荷、vは荷電粒子の速度、Bは磁場、θは粒子の運動方向と磁場のなす角 ) これは、f=qv×Bで終わり。 他には例えば、ケプラーの法則の中で「面積速度一定」も。これは、「太陽・惑星を結ぶ線分が一定時間に通過する範囲の面積は一定」ということで、 rvsinθ=一定 ※rは太陽・惑星間距離、vは惑星の速度、θは太陽・惑星を結ぶ直線と惑星の進行方向のなす角 のことなのですが、これも r×v=定ベクトル ※rは太陽から見た惑星の位置ベクトル、vは惑星の速度ベクトル ですから。
|
No.17849 - 2012/06/22(Fri) 02:47:06 |
| ☆ Re: 線型代数入門 / ハオ | | | angelさんお力添え有難うございました。 別解も用意して頂きとても勉強になります。 連立方程式を行列・ベクトルの積に直すのは何となくですけど覚えています(授業で一年線形代数をあやふやですが聞きましたので) 2年になってもう一度真面目に線型代数を学習したいなと思い(もう遅いのかもしれませんけど)『線型代数入門』を1からやり直しています。 問を解く際『線型代数入門』で習った事のみを利用して解きたいなと考えています。 まだ、20ページ位しか終わっておらずrankや一般的な行列も扱っていません。 ですので、rankなどをしっかり学習した時にangelさんの言葉を思い出して、またこの問を線型代数っぽく解けたらいいなと考えています。という訳で、未来の為にangelさんの返信を保存させて頂きました。有難う御座います。 物理にも長けていらっしゃってかっこいいです。
|
No.17853 - 2012/06/22(Fri) 10:15:42 |
|