B=A−kEとおく。 自然数nに対してA^n=nk^(n-1)B+k^nEが成り立つ事を示せ。 (A,Bは行列でともに実数成分の2×2行列) 解 A=kE+Bであり、A^n=(kE+B)^nを二項展開するとn≧2のとき A^n=k^nE+nC1k^(n-1)B+nC2k^(n-2)B^2+・・・+nCn-1kB^(n-1)+nCnB^n 以下略
とあるのですが、このn≧2はどこから来たものでしょうか?二項定理自体は(a+b)^n=Σ(k=0〜n)nCka^kb^(n-k)にあるようにn≧0で成立しますよね。(この問題だと問題文よりn≧1ですが)
nC2k^(n-2)B^2があるからn≧2だ、と言う人もいるかもしれませんが、もしそうならA^n=k^nE+nC1k^(n-1)B+nC2k^(n-2)B^2+nC3k^(n-3)B^3・・・+nCn-1kB^(n-1)+nCnB^nと書けばn≧3と書くということになってしまいます。しかし・・・の部分はどこまで書くかは個人のセンスによるのでそれはおかしいんじゃないかと思います。
連投ですがどなたかご教授ください。
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No.16693 - 2012/01/23(Mon) 16:27:22
| ☆ Re: 二項定理 / 行列頑張り隊 | | | No.16705 - 2012/01/24(Tue) 13:18:44 |
| ☆ Re: 二項定理 / ast | | | 必ずしも分けなければいけないというわけではないですが, 提示されている模範解答は冒頭で既に「n=1のときは自明に成り立っている」ことを断っているので, 処理済みのn=1を含める意味がそもそもありませんから, そうしてあるのでしょう. むしろその模範解答でn≥2を書かない場合, n=1のときを二重に述べているわけですから, 「二項定理がいつ成立するか」ということと「何を言うために二項定理を利用したのか」ということとを, 峻別できていない可能性を疑われる虞があるかもしれません (些細な点ですし, 定期試験や入試くらいだとそこまで厳しく見るとも思えませんが).
> n≧0で成立しますよね 行列に関する二項定理がいつ成立するかを, 文字式(多項式)に関する二項定理から即断するのは早計です. 少なくとも, 二項定理の成立には交換法則の成立が不可欠です (から, 多項式の不定元に行列を「代入」するのは一変数多項式に限るようにしたほうが安全です). また, A や B は正則かどうかはっきりしません (模範解答の省略部分には B^2, B^3, ... が消える事などが続きそうですが, だとするとBは正則でない) が, n=0のときも考えるというならば, 正則でない正方行列の0乗とは何かということは, 直観的に明らかというわけではないことに注意しなければなりません (xを0以外の実数とすれば, 逆数を掛ける事と冪乗x^n冪指数nを1だけ減らすこととを対応させることでx^0=1などと「定義」しました. このことの行列に対するアナロジーは, Xが行列式が0でない行列のとき, その逆行列を掛けることとXの冪乗X^nの冪指数nを1減らすことを対応付けることです. もちろんこれは, 逆行列を持たない場合には無力です).
> nC2k^(n-2)B^2があるからn≧2だ、と言う人もいるかもしれませんが、 おそらく居ないでしょう, さすがにナンセンスすぎます.
それはそうと, 問題が何か不自然ではないですか? 2次以降が消える理由がBの冪零性によるものなら, Aが一般ならBは必ずしも冪零行列には限られないはずですから変です. あるいは仮に2行2列の場合でケーリー・ハミルトンを使って1次まで落としたというのなら係数が変ですし. # 模範解答はあまり省略しないことを薦めます (別な部分で答案の意図が垣間見える場合もわりとあるので).
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No.16709 - 2012/01/24(Tue) 16:33:39 |
| ☆ Re: 二項定理 / 行列頑張り隊 | | | 回答ありがとうございます
確認】なるほどなるほど。。つまりこのn≧2は、例えばn≧2として階差数列を求めた後、n=1で成り立つか確認、などといったほどの重要な意味を持つn≧2ではないのですね。
参考】A=((a,b)(c,d)),a+d=2k,ad-bc=k^2(a,b,c,d,kは実数) (1)(A-kE)^2=0を示せという流れでした
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No.16716 - 2012/01/24(Tue) 21:26:18 |
| ☆ Re: 二項定理 / 行列頑張り隊 | | | No.16746 - 2012/01/28(Sat) 19:52:08 |
| ☆ Re: 二項定理 / angel | | | > …(略)…などといったほどの重要な意味を持つn≧2ではないのですね。
いや、根本的に模範解答中の表現に意味を求めるのはやめた方が良いです。 気にするべきは、n≧1 として問題のない局面かどうか、くらい。 良くある階差数列 a[n]=a[1]+Σ[k=1,n-1] b[k] だったら、そもそも n=1 の場合に不適となりますから、n≧2 とせざるを得ません。( n≧3 とかでも良いけど )
> A^n=k^nE+nC1k^(n-1)B+nC2k^(n-2)B^2+・・・+nCn-1kB^(n-1)+nCnB^n
これは別に n≧1 でも成立します。もちろん n≧2 でも成立します。模範解答であえて n≧2 としているのは、n=1 の分を示す必要がなかったからでしょうね。(後の話の展開として) まあ意図といえばこんな所でしょうか。でも、この意図が分かったからといって、何かの役に立つわけでもないので…。
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No.16777 - 2012/01/31(Tue) 01:09:35 |
| ☆ Re: 二項定理 / 行列頑張りたい | | | 答案に書かないと減点になるかどうかという点で知っておくべきだと思ったのです。(答案として自己採点して)○にしてよいのか△(不十分)なのかかという不安な心境から解放されました。ありがとうございました。
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No.16806 - 2012/02/01(Wed) 19:07:46 |
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