わからないことがあったので久しぶりに質問させてください。
教科書には無限等比数列{rn}の極限について r>1のとき rn→∞ としていますがこれはeが収束するのとは矛盾しないのでしょうか?
e=lim(1+ 1/n)n と定義されてますよね。 n→∞
1+ 1/nは1より大ですから,上の定理を使うと ∞に発散してしまいそうですが,実際は2.7ぐらいに収束しています。
どこがおかしいのでしょうか?(上の考えが)
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No.10947 - 2010/07/23(Fri) 13:30:15
| ☆ Re: 無限等比数列とeの収束について / ast | | | r を 1 に十分近くとって, それを r = 1 + ε とします. つまり ε は値がほぼ 0 となる正の数です. しかし, ε がどれほど小さいとしても十分大きな番号 N をとると n ≥ N となる n について必ず 1/n < ε とすることができます (これを実数におけるアルキメデスの原則といいます). そこで, N 以降の番号 n でだけ考えることにすると, (1+1/n)^n < (1+ε)^n = r^n です. 大きいほうが発散して小さいほうが収束しても矛盾はしません.
(ただし, 今説明した内容だけでは (1+1/n)^n の極限 e が有限な値に収まるかどうかは何も検討していませんのでわかりません, あくまでそうなってもおかしくないということの説明です).
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No.10948 - 2010/07/23(Fri) 16:07:02 |
| ☆ Re: 無限等比数列とeの収束について / ラディン.ms | | | アルキメデスの原則の部分がよくわかりませんでした。
0に限りなく近い数εと 分母が無限大の1/nを比較した場合 1/nの方が小さいということなんでしょうか?
結局1+ 1/nは1より大きいのかどうかもわかりません。 1より大きいとするとその差はεで表せますがそれよりも小さいということですか?
頭が混乱してきました……
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No.10949 - 2010/07/23(Fri) 18:13:20 |
| ☆ Re: 無限等比数列とeの収束について / ast | | | > 0に限りなく近い数ε
ではありません, 任意に選んだ 0 に近い正の実数 ε です. 近さはどれだけ近くしてもいいですが, 限りなく近くはありません. 0 に限りなく近い実数は 0 自身です. ε は 0 ではありません. 1 < r ならば r がどれほど 1 に近くても, r は 1 よりもわずかに大きいです. そのわずかなズレの大きさを ε としています.
> 分母が無限大の1/n
ではありません, 十分大きな自然数 n に対する 1/n です. n は無限大ではありませんし, 1/n は無限小ではありません.
N は ε に依存して決まります. しかし, 各 ε に対して確実にそのような N がとれます.
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No.10950 - 2010/07/23(Fri) 19:57:41 |
| ☆ Re: 無限等比数列とeの収束について / ラディン.ms | | | 無限大・無限小と勘違いしていてわからなかったようです。
例えば ε=0.1のときは N>10と取るとn>10となって 必ず1/n<εが成り立ち ε=0.01,0.001,0.0001……とどんどん小さくしていっても それに対してNが取れるので1/n<εが成り立つということでしょうか。
アルキメデスの原則が理解できたような気がします。
あとは,n→∞を考えているので,N以降のnで考えて (1+1/n)^nよりr^nの方が大きいということですね。
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No.10951 - 2010/07/23(Fri) 20:55:19 |
| ☆ Re: 無限等比数列とeの収束について / ast | | | ご明察. こういった話が理解できると, 大学初年度級の数学で鬼門とされる所謂 ε-δ 論法をほとんどクリアしたも同然ですね.
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No.10952 - 2010/07/23(Fri) 21:13:55 |
| ☆ Re: 無限等比数列とeの収束について / ラディン.ms | | | 解説ありがとうございました。
εδ論法やεN論法などは以前にネットで調べたことがあったのですが, 文字ばかりでほとんど理解できなかった記憶があります。
大学に入るまでには理解できるように頑張ることにします。
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No.10953 - 2010/07/23(Fri) 22:38:02 |
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